Cloud Nothings / Cloud Nothings


以前にも紹介しているCloud Nothingsの約1年ぶりのアルバム。アメリカではCarpark、ヨーロッパではWichitaから"Turning On"リイシュー盤(というよりコンパイル盤か)に引き続きリリース。とりあえず、US、UK、日本盤のアマゾンのリンクを貼り付けておきます。


Cloud Nothings

Cloud Nothings

Cloud Nothings

Cloud Nothings

クラウド・ナッシングス

クラウド・ナッシングス


アナログのも貼り付けたいくらいだけど、ここは我慢。



2009年末に出した前作"Turning On"はどうやら作品集的な意味合いらしく、今回のセルフタイトル"Cloud Nothings"が1stアルバムにあたるとのこと。
"Turning On"のリリース後も7”やEP、Splitをリリースするなど精力的に活動していて、2010年は猛烈なスピードで注目のバンドの1つになっていっていますよね。


ちなみに、今作は4人編成になってから最初のアルバムでもあり、ボルチモアの奇才Dan Deaconによるプロデュースでのスタジオレコーディングを行っているみたいです。
前作のローファイながらもそのノイズの隙間から垣間見えるソングライティングの素晴らしさ、ポップさはもちろん今作もしっかりと、むしろさらに研ぎ澄まされているようにも感じられます。
あと、今作は”バンド編成”になったからなのか、特に今までの作品と少し印象が違って感じられました、個人的にですけど。各楽器が個性を持ったというかなんというか。


アルバムの内容としては、11曲30分未満。本当にあっという間に駆け抜けていってしまうスピード感。それぞれの音がすごくガチャガチャしているけれど、よくまとまって聴こえるなあと。シングルとか以前の曲のミックスから判断しても、今作のミックスはだいぶ音が柔らかいなあと感じました。ギターのキンキンするような音も極端にノイジーな感じも無く。音のワイド感も極力抑えているような印象も。
最初、アルバムを聞いた時は音質的になんか物足りないなーと思いましたけど、ずっと聴き続けていると、すごく耳馴染みが良いなと。高音も低音も丁度良く、音圧もきつ過ぎずで。曲自体もとても良いので何度でも再生してしまいます。
曲の展開も面白くて、"Been Through"の途中での変なブレイク(PavementのShady Lane的なのがパッと頭に浮かんだ)とか"Not Important"みたいな最後に曲の流れをぶった切って違うメロディに転調して終わるのとか、そういう遊び(って表現は正しいかわからないですけど)も入れてて。それもきっと、このアルバムのコンセプトとしての作戦なんだろうなーと感じるくらいに、曲間の隙間も少なく、11曲をスピード感を損なう事無く一気に聴けるようにと考えてるんだろうなと思ったりしてみたり。深読みかもしれないけど。
歌のメロディに関しても、彼の十八番のようにもなっている、本当に本当にしつこいくらいに繰り返される印象的なフレーズのために、ついつい口ずさまずにはいられないです。というか、その繰り返しフレーズ作法が今作はほぼ全曲あって、もうなんか半端無いです。その歌メロ活かすかのように歌がちょっと前に出ててよく聴こえる様なミックスな気がしないでもないなと。


個人的には、7"シングルにもなってる"Understand At All" がすごく良いなと思いました。この曲も繰り返すフレーズがすごく印象的で、哀愁のあるメロディと相まってやられてしまいました。
ちなみに、シングルB面で、日本盤のボーナストラックにもなっている"I Know (You're All Done With Me)"という曲も半端無くキャッチーでかっこいいので聴いて欲しいです。実はCloud Nothingsの曲で一番好きかも。


PVなども。

Cloud Nothings "Should Have"


Cloud Nothings "Understand At All"





http://www.myspace.com/cloudnothings

Label
http://www.wichita-recordings.com/
http://www.carparkrecords.com/




あべ